はじめに
全3パート中の今回、Part1では以下の内容を記載します。
Nested(入れ子の) Hyper-Vとは、Hyper-V基盤上に構成されている仮想マシンをホストとし、さらにHyper-V環境を構築することです。Hyper-Vの上でHyper-Vをたてることになります。
2016でサポートされ、Azureでもv3シリーズの登場により可能となりました。
Nested Virtualization in Azure | Azure Blog and Updates | Microsoft Azure
今回はAzureの仮想マシンを使用して、Nested Hyper-Vを構築してみます。
最終的にやりたかった通りにはなっていないのですが、できた範囲で備忘として残しています。
事前準備
最終構成は図のイメージで、仮想ネットワーク上のマシンとNested Hyper-V上の仮想マシンで疎通が取れるようにしてみたいと思います。
目次
2019/06/15: Part2作成時にミスが発覚したので赤字で修正&追記
2019/06/16追記:外から中への疎通確認がどうしても構成できなかったので、最終的にはポートフォワーディングで接続させています。
続きは以下
Azure仮想マシンでNested Hypver-Vを構築してみる!Part2 - みち草
Azure仮想マシンでNested Hypver-Vを構築してみる!Part3 - みち草
Nested Hyper-VのホストおよびゲストOSには条件があります。条件は以下の4つ。
- 4GB以上の物理メモリであること。
- Hyper-V ホストとゲストの両方が Windows Server 2016/Windows 10 Anniversary Update 以降であること。
- VM 構成バージョン 8.0 以上。
- VT-x および EPT テクノロジを使用する Intel プロセッサ。入れ子は現在 Intel のみ。
これに加えて、AzureでNested Hyper-Vのホストになるマシンは、ハイパースレッドが有効なVMサイズを使用する必要があります。現在はD/Dsv3、E/Esv3、Mシリーズのみです。
ということで以下の仮想マシンを用意しました。どちらも日本語化済みです。
- ホスト用仮想マシン(WS2016/D4v3/追加ディスク1TB1本)*1
- 接続テスト用仮想マシン(WS2016/A2v2/)*1
Hyper-Vの有効化
ホスト用VMにログインし、Hyper-V機能を有効化します。
GitHubに公開されているスクリプト(https://github.com/charlieding/Virtualization-Documentation/tree/live/hyperv-tools/Nested)での設定と手動設定の2種類がありますが、今回は手動で有効化しました。
PowerShellにて以下のコマンドを実行します。 仮想マシンが再起動し、Hyper-Vマネージャーの有効化は完了です。
Install-WindowsFeature -Name Hyper-V -IncludeManagementTools -Restart
実行結果
NATスイッチの作成
ゲスト仮想マシンがインターネットへ出られるように、NAT用仮想ネットワークスイッチを作成します。
作成後、PowerShellにて以下のコマンドを実行し、作成したスイッチのifindexを確認します。後で使います。
Get-NetAdapter
実行結果
続けて以下のコマンドを実行し、NATゲートウェイのIPアドレスを設定します。
New-NetIPAddress -IPAddress <ゲートウェイアドレス> -PrefixLength <サブネットプレフィックス長> -InterfaceIndex <ifindex>
<>内は以下の値を指定します。
- ゲートウェイアドレス:Nested Hyper-V上のゲストマシンを乗せるネットワークの、デフォルトゲートウェイアドレスを指定。今回は
10.8.0.1192.168.0.1 - サブネットプレフィックス長:プレフィックスの長さ。今回は24
- ifindex:Get-NetAdapterで確認した値。今回は11
実行結果
NATネットワークの作成
ゲストマシンが利用する、NATネットワークを作成します。
PowerShellにて以下のコマンドを実行します。
New-NetNat -Name <ネットワーク名> -InternalIPInterfaceAddressPrefix <NATネットワークアドレス>
- ネットワーク名:任意に指定(今回はInternalNetwork)
- NATネットワークアドレス:NATネットワークとして使用するアドレスをCIDR形式で指定します。今回は192.168.0.0/24
実行結果
Windows Server2016評価版ダウンロード
Part1の最後は、ゲストマシン構築用のWindows Server2016評価版ダウンロードです。
評価版のISOは以下からダウンロードできます。
Microsoft Evaluation Center で Windows Server 2016 を試す
ISOを選択し、必須事項を入力してダウンロードしましょう。
今回はここまでとして、ゲストマシンの構築はPart2に続きます。