みち草

Azure中心にまとめる技術情報ブログ

Azure 可用性ゾーン間の通信は課金されないことに!

はじめに

今回は Azure 利用料金について新しいことを知ったので小ネタ投稿

内容としては、データ転送について今まで課金がなかったところが課金されるようになる、というものです。

文面から読み取れる範囲で記載しているため、正確な判断は Microsoft のサポートへ問い合わせください。

料金ページが変更され "2021 年 7 月 1 日から課金開始" となったため修正しました。
料金ページが変更され "2022 年 7 月 1 日から課金開始" となったため修正しました。
料金ページが変更され "2023 年 7 月 1 日から課金開始" となったため修正しました。

また延期されたみたい

<2024/5/22 更新>

2024/5/21 に Azure Update に公開されたアナウンスにて、Azure の可用性ゾーン間通信は「課金されない」ことが発表されました。

azure.microsoft.com

ということで、昔書いた以下の内容は忘れてください。 記事自体を消すことも考えましたが、こんなことあったんだよ、という記録的な意味で残しておこうかと思います。 ただ、誤解を与えるのは嫌なので取り消し線入れてます。

目次

### 現状と変更点 まず現状ですが、Azure のデータ通信については以下のルールがあります。

(1) 外部から Azure に対するデータ転送は無料
 インターネットやオンプレミス環境からAzure に入ってくるデータについては課金されない。
 逆に、Azure からインターネットやオンプレミスへ出ていくデータは課金される。
※VPN や ExpressRoute はそちら側での下記のためここでは記載していませんが、同様に Azure からオンプレミス方向のデータ転送に対して課金が発生します。

Az1

(2) Azure リージョン内でのデータ転送は無料、リージョン間の場合は有料
 例として、東日本リージョン ⇒ 東日本リージョンのデータ転送であれば課金されない。
 東日本リージョン ⇒ 西日本リージョンのデータ転送は課金される。

Az2

(3) Azure から Azure CDN へのデータ転送は無料

これまで、同一リージョンの可用性ゾーン (Az) 間データ転送については (2) のリージョン内データ転送になるため、課金が発生しませんでした。

しかし、2023 年 7 月 1 日より、この同一リージョン内の可用性ゾーン間データ転送について、課金されるようになります。

新たな課金対象

azure.microsoft.com

Microsoft の Azure 料金サイトによると、新たな課金対象および課金対象外は以下です。

課金対象

ある可用性ゾーンにデプロイされた VNet リソースから同一 VNET 内の別の可用性ゾーンにある別のリソースへのデータ転送 (イングレスとエグレス両方)

例として、VM (Az : 1 , 東日本) と、VM (Az : 2 , 東日本) があったとすると、2 つの VM 間(= データセンター間)で通信が発生する場合はそのデータ量に対して課金が発生するよ、ということです。

VNet リソースとあるので、VM であればもちろんのこと、Az 対応の Load Balancer, Application Gateway, VNet GW など他のリソースの通信でも適用されるものと思われます。

Az3

一方で、以下の場合は課金対象外です。

課金対象外

同一の可用性ゾーン内にある VNet リソース間のデータ転送

例として、VM (Az : 1 , 東日本) と VM (Az : 1 , 東日本) であれば課金対象外です。
これは、同じデータセンター内の通信になるから課金されない、ということになるのかと思います。

Az4

同一の Azure リージョン内にある VNet リソースとパブリック IP アドレス間のデータ転送

VM や Load Balancer, Application Gateway, VNet GW などと、パブリック IP アドレスが同一リージョンに存在していれば課金対象外のようです。

これだと、VM (Az 1, 東日本) と VM (Az 2, 東日本) の VM があり、VM 1 から VM 2 のパブリック IP アドレス通信した場合は、課金されないということなのでしょうか。
VM 1 から東日本リージョン内の PaaS への通信とかですかね?
ちょっとわかりづらいです。

可用性ゾーン間でピアリングされた VNet にある VNet リソース間のデータ転送。このデータ転送は、VNet ピアリング料金に従って課金されます。

VNet ピアリングされた VNet 間の通信の場合は、データ転送ではなくて VNet ピアリングの料金で課金するよ、ということだと思われます。

ということで、これまでは「Azure から出ていくデータ転送料とリージョン間のデータ転送料」のみだったところに、 2023 年 7 月 1 日からは「可用性ゾーン間のデータ転送料」が追加されます。

環境を作るうえで費用見積は重要かと思うので、これからはリージョン間よりもう 1 つ細かい、 データセンター間の通信料まで考慮する必要がある、ということを抑えておきましょう。

終わりに

公式の料金サイト側がいつ更新されていたのかはわかりませんが、本日知り驚いたので小ネタとしてまとめました。

金額が出ていないのでわかりませんが、Az を分散したサーバー間でレプリケーションなんかが動くとそこそこ課金されるかもしれませんね。来年コストを見積もる際は考慮漏れのないようにしたいですね。